税理士選びは、中小企業にとって、

社長の経営右腕となる経営参謀を採用する

に等しい、といっても過言ではありません。経済環境が厳しく、右肩上がりの成長が期待できない状況では、社長は正しい情報に基づいて迅速に意思決定しないと経営を維持、成長することは難しくなっています。

会社の会計・財務を熟知し、経営について専門的知識・能力をもった経営参謀が傍にいれば、どんなに心強いでしょうか。税理士は国家資格としては税金の専門家ですが、会計・財務の専門知識を持ち、社長に近い位置で経営を見守っています。

「良い税理士は会社の経営を変える力を持っている」と言われます。

以下では、税理士を単なる経理業務の外注先として考えるのではなく、力強く会社成長をサポートしてくれる経営参謀としての現在の税理士の選び方をお教えいたします。

 

いくら国家資格を有し、豊富な知識を有していても横柄な態度、偉そうな態度をとってろくに話も聞かないような税理士とは付き合ってはいけません。税理士である前に立派な人格者であるべきです。よって、きちんとした電話応対をする、面談の際にしっかりした受け答えをするというような礼儀正しい税理士を選んでください。

人というのは不思議なもので、覇気がなく暗い人といると自分まで気分が滅入ってしまいます。逆に元気で明るい人といると、こちらまで明るい気分になります。会社経営は良い時ばかりではありません。苦境に陥る時もあります。そんなとき、相談相手となるべき税理士の性格が暗く、元気が無かったらどうでしょう。元気も伝染します。どうせ選ぶならば元気で明るく、情熱的な税理士を選びましょう。辛い状況でもくよくよせず一緒に未来を変えていける、そんなパワーのある人間は大抵元気で明るい、「ネアカ」な性格の持ち主です。そういう税理士の事務所はスタッフも明るく、雰囲気も良いので事務所を訪問した時にチェックすると良いでしょう。

税理士は本来は税金の専門家ですから、帳簿をきちっと付けて、申告書を正しく作成すれば一応、「税理士」としての業務は完結します。そのため、税理士の中には関与先のビジネスについて全く興味・関心を示さない税理士も残念ながらいます。ひどい場合には、税理士と会えるのは1年に1度だけ、あとは担当者任せという事務所もあります。そういう税理士には経営助言など望むべくもありません。

面談した時にご自身の商売に興味・関心を持ってくれる、親身になってくれる税理士を選びましょう。面談では税理士が定期的に面談してくれるのか、そうでないのか、を確認しましょう。良い税理士は付き合っていくうちに、他の人が言えないような社長の耳が痛い指摘もしてくれるかけがえのない存在となってくれます。

確かに生命保険、損害保険、アパート建築は節税や会社経営のリスク回避に役立つことはあります。そのため、税理士がその紹介をすることもあり、それ自体が悪いことではありません。しかし、中には、保険やアパート建築を仲介することで、保険会社やハウスメーカーから受け取るキックバックを目当てに不要な過大な保険、アパート建築を進めてくる税理士もいると聞きます。関与先のことを第一に考えず、単なるお金儲けの手段としか考えていない税理士とは付き合うべきではありません。

税理士は全員経営に詳しくて、経営アドバイスができると誤解されていますが、実は本当に経営アドバイスができる税理士は限られています。一方で、環境変化の激しい今の時代の税理士には、経営数値をベースとして、経営戦略にも助言を行う社長の経営参謀としての役割が求められています。

面談した時に何でも良いので経営に関する質問を投げかけてみてください。たとえば、「うちの会社の売り上げを伸ばすには？」でもいいです。即答でなくても、後からでもしっかり良い提案をくれる税理士は、経営参謀となりえる税理士だと思います。できれば、事業会社の経営企画部門やコンサル会社での実務経験を有する税理士が望ましいですが、そういう税理士はごく限られているのが現状です。

 

安くない金額を毎年支払うことになるのですから、見積書をしっかりもらいましょう。きちっとしている税理士は何も言わなくとも見積書を作ってくれるはずです。頼んでも見積書をくれないような税理士は避けましょう。面談の場で即決する必要はありません。即決を迫るような税理士も断りましょう。何人かの税理士と面談して、しっかり見積もりをもらって家に帰り、自社の将来にとって有益な税理士を冷静に見定めてください。税理士を選ぶ権利はあなたにあるのです。

良い税理士とは長いお付き合いになります。これから成長する会社ならなおさらです。一生のお付き合いになることもしばしばです。ですので、自分と同年代以下、できれば若い税理士が望ましいです。確かに経験という面では高齢の税理士に及ばない場面もあるかもしれませんが、若く、フットワークが軽ければ関係各所を回り、人脈やインターネットサービスや情報技術を活用して一生懸命問題解決に当たってくれます。若い税理士は、成長志向でモチベーションが高いことが多く、同じ経営者としてともに切磋琢磨し、成長していく仲間となります。

 以上、税理士選びのポイント７つを紹介しました。

 

税理士を依頼することは確かにコストになります。そして、コストであるならば安い方が良いと考えることも自然です。しかし、税理士をコストとして捉えるのではなく、自社を力強く成長させる投資と考えて報酬以外の要素もしっかり踏まえて税理士選びをしてみてはいかがでしょうか。

現在、日本には74,000人近い税理士がいます。その中で本当にあなたの会社の経営を変えられる力を持つ税理士は、ほんの一部の少数に限られています。このWebサイトを訪ねて頂いた皆様がその一握りの経営参謀となりえる税理士と出会い、ご自身のビジネスを成長させることを祈念しております。