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黒字確保も4信金減益、県内8信金13年3月期決算/神奈川

更新日:2013/06/28

県内に本店を置く8信用金庫の2013年3月期決算が出そろった。全信金が黒字を保ったものの、中小企業を中心に法人向けの融資が伸び悩み、5信金で貸出金残高が減少。「各金融機関との競争が激化しており、貸出金利息の収入は減っている」(川崎信金)と金利低下で利ざやも縮小し、前年同期比では4信金が減益だった。

本業のもうけを示す業務純益は、川崎信金(川崎市川崎区)、横浜信金(横浜市中区)、湘南信金(横須賀市)、さがみ信金(小田原市)が減益。純利益は川崎、湘南、三浦藤沢信金(横須賀市)、平塚信金(平塚市)が減益となった。各信金とも低金利が追い風となって個人向け住宅ローン残高は順調に伸ばす一方で、中小企業の設備投資などの資金需要が乏しく、法人向け融資は減少傾向が続いている。3月末の貸出金残高は横浜、湘南、平塚、中栄信金(秦野市)、中南信金(大磯町)の5信金が前年同期比で減少した。

銀行などとの顧客獲得競争が激化しており、貸出金利低下で、貸し出しの収益から預金の利息などを引いた資金利益が伸びないことが、収益に大きく影響している。また、今年3月の中小企業金融円滑化法の終了後に備えて引当金を積み増すなどして不良債権処理費用が増えたことも響いた。

経営の健全度を示す指標で、貸出金などの総資産に占める自己資本の割合を示す自己資本比率は、8信金とも国内業務基準の4%を上回った。いずれも前年同期比で上昇しており、21・87%の中栄信金、17・44%の川崎信金など6信金が10%を超える高水準を維持している。

14年3月期も貸出金利の低下傾向が続くとみて減益を見込む信金が多いが、融資が減少する中で利益を上げるため、「経営の相談など目利き機能を強化する」(横浜信金)などとコンサルティング業務を拡充し、融資先開拓につなげる動きが広がる。県内の8信金で連携して、それぞれの顧客である中小企業の販路拡大や技術提携を支援する合同商談会を開くなど、増益確保へ種をまく取り組みも始めている。

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